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第40回『IF I AM』(2/2)

更新日:2012年02月09日

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仙台・五橋のコミュニティスペース「Five Bridge(ファイブブリッジ)」からお届けする『IF I AM』第40回。今回からオープニングテーマが流れるようになりました。曲は、仙台市を中心に活動しているバンド「アンテナ」さんの『さよならの代わり』です。TOWER RECORDSさんで限定発売していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

>>第40回『IF I AM』の録画はこちら

今回のMCはいつもはきはき笑顔の素敵な三神さん。
ゲストに「笑顔カレンダー」を製作・販売している『GRP~学都連携プロジェクト』代表の東北工業大学3年阿部直樹さんと復興支援団体を動画で紹介している『復興TV』高橋駿介さんのお2人をお迎えしてお送りしました。番組後半のアフタートークもお楽しみに。

出演者

  • MC
    東北学院大学3年 三神志織さん
  • ゲスト
    『GRP~学都連携プロジェクト』代表 東北工業大学3年阿部直樹さん
    『復興TV』 東北学院大学3年 高橋駿介さん
  • アフタートーク
    東北工業大学3年 阿部直樹くん
    東北大学放送研究部2年 伊藤大貴(ひろたか)くん
    東北大学3年 根本聡一郎くん
    東北学院大学3年 高橋駿介くん

 

1.『GRP~学都連携プロジェクト』代表 東北工業大学3年阿部直樹さんのお話

Q.3.11はどこで何を?
ファイブブリッジで、仙台の高校生のキャリアアップのための冊子を作るための会議中。
ご実家の女川町に帰れたのは1ヵ月後だった。

Q.GRPの活動について教えてください
3つのプロジェクトを中心に活動しているが、現在の中心は笑顔カレンダー。
みちのくよさこい祭りの事務局長さんが発案した企画を、委託してもらったのがきっかけ。
現在のメンバーーは10人。仙台市内の各大学から満遍なく集まっているので、幅広い考え方で活動が出来る。

Q.立ち上げたきっかけは?
設立は2011年5月3日。夏以降、県外のボランティアが減っていくのではないか?という話を耳にして危機感を覚え、県外、県内のボランティアに参加する学生を連携させていく必要があるのでは?と考えたのがきっかけ。仙台の大学の多くは5月にようやく授業が始まったが、学校が始まる前の4月にSNSを利用して人を集めた。

Q.笑顔カレンダーとは?
参加者が被災地への思いを記したボードを掲げて笑顔の写真を撮り、それぞれの誕生日の日付を飾るというもの。
詳しくは『GRP~学都連携プロジェクト』さんの公式サイトをご覧下さい。
>>笑顔カレンダーとは?

カレンダーという性質上、写真が掲載できるのは残念ながら365日分ですが(今年は366日)、撮影に参加してくれたのは延べ1400人とのこと。厳選した366日分の笑顔が見られるこのカレンダーは1部1,000円で発売しており、売り上げは宮城県七ヶ浜町を中心に義援金として届ける予定とのこと。ぜひ、公式サイトからチェックしてみてください。

Q.その他の活動は?
学生のボランティア団体のポータルサイトを計画中。
まず、そのために各県に支部を置きたいと考えているが、現在は、各団体のTwitterアカウントをまとめて見られる『Twitter集』というページを作っている。今後は、月間の活動予定なども掲載し、 ボランティアをしたい人が見た時に、各団体の特徴などをが分かるサイトにしていきたい。各団体に参加しているメンバーを見ることでボランティアへの敷居が低くなるのではないか?と考えている。
春には各団体を集めた新入生歓迎会や榴ヶ岡公園を舞台としたイベントも計画中。大勢の人を巻き込んで楽しめることを企画したい。

Q.今後の目標は?
今は宮城県内だけで動いているので、もっと県外に出て、各県のボランティア団体が連携・協力して動いていけるようにしていきたい。

Q.今の希望は?
メンバーの数だけを増やすことにはあまり意味を感じていないが、それでも増えるに越したことはないので、参加してくれる人は随時募集している。今回は、笑顔カレンダーを作成したが、これを震災支援の形のひとつとして色々な人に協力してもらえれば嬉しいとのこと。

なんと、この『笑顔カレンダー』が2012年3月1日からおよそ2年間、仙台駅の新幹線乗り場の電子パネルに流れるそうです。楽しみですね!!

 

2.『復興TV』高橋駿介さんのお話

笑顔311のスタッフとしてもおなじみの高橋くんは、福島県福島市出身の東北学院大学3年。今回はもうひとつの活動、復興TVさんのスタッフとしてご出演いただきました。

Q.311はどこで何を?
犬の散歩中だった。尋常ではない揺れに驚いて帰宅したが、幸いにも実家は無事だった。

Q.復興TVの活動について
多くの人がより自発的にボランティアに参加できるようにするため、宮城県内の復興支援活動をしている団体を動画で紹介している。短期的には、ボランティアに関わる人を増やすことを目指し、長期的には次に大きな災害があった時の教訓として映像を残せたら、と考えている。
現在は、公式サイトに動画をUPしているが、最近は取材だけでなく、『ほっとスペース石巻』さんの活動と南三陸町の漁師さんたちが連携して復興に取り組む姿をドキュメンタリーとして撮ろうとしている。

Q.漁師さんや『ほっとスペース石巻』さんとの出逢いのきっかけは?
話をいただいた形。一般社団法人ワカツクさんからのお話だった。ほっとスペースさんは、自分自身が関わっていたことがきっかけ。

Q.今の活動を通じて感じていること
気仙沼の大島でつなプロで一週間活動して仙台に帰って来たときに、現地でなくても出来る何かをしたいと思い、現地で情報発信の必要性を感じたこともあり、始めることになった。今の悩みは、取材した活動にフルコミットできないこと。どうしてもさわりだけになってしまう。もっと関わりたいというジレンマがある。

「笑顔311も復興TVも情報発信をするという意味で同じ目的を持った団体。色々な人と出会うことで自分の価値観も変わった。うまく言えないけれど、色々なことを学んだ」という高橋君の表情に、震災後に高橋君が活動してきた中で培ってきた想いが詰まっているように見えました。

Q.今後の目標
ほっとスペースの方の動画は完成したが、より長期的な取材になるであろう南三陸町の取材ではもっと現地の方と関わっていくことになると思っている。元々、個々人で漁をしていた漁師さんたちが震災を機に、今までにない連携をして漁を始めたということ自体がまさに復興だと思うので、その活動に長く継続して関わっていきたいと思っている。

Q.目指すメディアとは?
マスメディアからは震災の後、津波の映像や枝野官房長官の会見など同じようなことばかり流れていたような印象がある。もっと、連携して色々な情報を流したりできないのか?と思ったがマスメディアには地域による情報格差を生まないという事情があったようだ。しかし、今後は市民がメディアになっていけるようになるはずなので、地方にメディア発信できる場所をたくさん作り、そこからどんどん発信していけたらいいなと思っている。テレビで拾われないところを拾うためには、同じ活動をしている団体が連携して、1つの一元化した入り口から、視聴者が情報を選べるような形が良いのではないか?と思っている。

Q.最後にひとこと
復興にはまだ時間が掛かるといわれているが、何かしたいという思いで始めた活動。今後も、自分に出来ることをひとつひとつやっていこうと考えている。復興に関わろうと思っている人が、もし「今さらボランティアなんて」と考えているとしたら、そんなことはないと思う。自分のペースで被災地に関わって欲しい。
作る側の視点になった時に、マスメディアを見る目も変わった。作り手の人の思いに目がいくようになり、自分の情報の受け方も変わった。今後もより主体的に情報を得られる人間になりたい。

と話す高橋君に、twitterでは「高橋くんは常に本音で話している」というお褒めの言葉も。将来は、色々な人や価値観の人たちをサポートしたり、より良い利益を描けるようなことがしていきたいそうです。素敵な夢ですね。アーカイブに残るのが恥ずかしいと言っていましたが、文字にも残してみました。がんばれ高橋くん!

>>復興TVさんのYouTubeチャンネルはこちら

 

3.アフタートーク

今日の司会は、いつも安定感抜群の根本くん。堅いという視聴者からの声にお答えして、今回はソファに座ってリラックスしたムードでお送りしました。番組に初めて遊びにきてくれた伊藤君は東北大学放送研究部でラジオ番組を作成しているそうです。「ぽけっときゃすと」と検索すると聞けますので、Check it out!

今日のアフタートークでは

・マスメディアは最新のニュースばかり取り上げざるを得ないので、風化させないために情報発信の活動は大切だと感じている。
・今後、災害が起きた時に色々な情報が得られる場として役立ちたい。

というGRPの阿部くんに復興TVの高橋くんから

・SNSのポータルサイトだけでなく、メディアのポータルサイトは出来ないか?

という提案が生まれました。
また、インターネットが普及してから起きた大震災としては初めてとも言える東日本大震災。皮肉にも、この震災をきっかけにインターネットの活用の方向性が見えてきたのでは?という話題になりました。その一方、今後、どのようなツールが役に立つのか?という話題では

・やはり新聞という紙のメディアはなくならないと感じた(根本くん)
・震災の時に、受身で情報を受けていた人はすごく辛かっただろうなと思った。元々主体的に情報を取っていた人は情報の取捨選択が出来たのでは?(高橋くん)
・1ヵ月後に女川の実家に帰った時に、まだ電気が使えず、情報を得るのがとても難しかった時に、女川町では独自に有志の方々が手書きの新聞を配られていて、それがとても役に立った。(阿部くん)

という、アナログによる情報伝達の重要性も指摘。twitterで視聴者の方からは新聞に投稿するという情報発信の方法もご提案をいただきました。新聞というメディアは幅広い人たちとつながるためのとても有効な方法であるかもしれませんね。

最後に、『IF I AM』はUstreamという双方向性のメディアを使っているのが面白い(伊藤くん)という意見が出たところで、twitterに寄せられたツイートに皆で答え、より双方向性を重視したアフタートークとなりました。今後も『IF I AM』では、双方向性を大切にした番組作りをしていきたいと思いますので、ご意見やご質問など、ドシドシtwitterでお寄せください。

第40回『IF I AM』配信時の皆さんのつぶやき