第36回『IF I AM』(12/19)
更新日:2012年01月20日
何人かの大学生たちが毎週交代でMCをしている『IF I AM』。
12月19日担当の根本くんがMCをするときは、志のある学生と本気の議論をする!というコンセプトで番組内で「学生復興会議」を開催しています。
この日は、東北大学の経済やビジネスの勉強会サークルE
事前にE.B.S.G.の阿美くんが用意してくれた132ページに渡る原発に関する資料も見ながら、ぜひご覧ください。
>> 第36回『IF I AM』(12/19)の録画
>> 資料: NuclearPower(PDFファイル 2MB)
出演者
- 根本聡一郎(東北大学文学部3年)
福島県出身、復興配信の笑顔311プロジェクト『IF I AM』MC担当 - 島崎高史 (東北大学経済学部経済学科4年)
大分県出身。現在、経済やビジネスの勉強会サークルE.B.S.G.の代表 - 板井龍也 (東北大学工学部4年)
秋田県出身。東北大学ESS元代表 - 小倉健児 (東北大学経済学部経済学科4年)
宮城県出身。就職支援団体 Next Linkage 第5期代表 - 阿美利幸 (東北大学農学研究科生物産業創成科学専攻生物有機化学分野修士2年)
栃木県出身。現在、経済やビジネスの勉強会サークルE.B.S.G.に所属 - 伊藤照手(東北大学文学部文化人類学研究室3年)
埼玉県出身、東北大学学友会演劇部在籍、反原発派団体のフィールドワークもしている - 佐藤亮介 (東北大学工学部3年)
群馬県出身。野村総合研究所「NRI学生小論文コンテスト2011」で佳作受賞 - 栗木直也 (宮城教育大学4年)
山口県出身。現在、経済やビジネスの勉強会サークルE.B.S.G.に所属 - 高橋駿介(東北学院大学法学部法律学科3年)
福島県出身、復興配信の笑顔311プロジェクト『IF I AM』運営
議論の内容
番組内では、参加者が原発擁護派と脱原発派に分かれ、以下の3つのテーマを設けて議論をしました。
- 原発の事故は絶対に防げないのか
- 脱原発をした場合、他のエネルギーで代替可能なのか
- 東京電力を今後どうしていくべきか
1.原発の事故は絶対に防げないのか
色々な意見が出ましたが、いくら設計段階からの改善や技術の進歩があったとしても、ヒューマンエラーは絶対に起こらないとは言えない、ということに関しては、全員意見が一致しました。
また、事故を防ぐための対策や技術革新にはコストがかかります。
議論はこれらのリスクやコストを認識した上で、それでも原発の存在を認めるのかどうか、という方向に発展しました。
2.脱原発をした場合、他のエネルギーで代替可能なのか
「今回の事故を受けて脱原発をしたいという感情はよくわかるけれど、感情論で終わるのではなく、他のエネルギーで代替できるのかどうかを冷静に議論したい」という根本くんからの問題提起で、2つ目の議論が始まりました。
単に今まで供給してきたエネルギー量を原発なしでまかなえるのか、という観点だけでなく、
- 資源の問題(原発の場合、いずれはウランが枯渇する。でも石炭などに比べれば先の話)
- 供給システムの問題(発電と送電の機能を分離することで経済的に効率化するはずだけど、原発は分離しにくい)
- 経済・環境の問題(再生可能エネルギーだけで今すぐ必要なエネルギーを賄えるか。できないとしたら石油・石炭・天然ガスを消費するよりも原発を使った方が地球環境にやさしいのでは。一方原発が温暖化を抑止するというのは嘘、という話も)
- 技術の進化(再生可能エネルギーや蓄電池の技術発展が期待できる。一方、原発の安全性を高めるコストも低くなるはず。でも放射性廃棄物はどうしようもないのでは)
といった様々な側面からの意見が出ました。
3.東京電力を今後どうしていくべきか
まずテーマになったのが、今後電力の供給力を復旧させていくためにどうするか。
国がもっと支援をして東電を支えていくべきという意見や、ではなく別の新興企業が参入できるようにシステムを変えていくべきという意見が出ました。
また、国から東電への天下りの構図や東電に絡む様々な利権が、今回のような事態を招いたり、国民の経済的負担を増やす原因になっているということや、被害者への保障の問題についても話し合われました。
全体をとおして
この他にも様々な話題、意見が出ました。
参加者のみんながよく勉強して、熟考して来ていることに関心しきりです!
福島出身の学生でも、震災前は原発についてあまり考えたことがなかったという声がありました。
でもこの震災・事故をきっかけに、学生たちが切磋琢磨しながら未来を切り拓いていく、という期待が持てた「学生復興会議」でした。
今回はTwitterからの皆さんの投稿も活発で、議論の内容を丁寧にTsudaってくれた方もいました(感謝!)。
ぜひTogetterでそのときの熱気を感じてください。