第68回『IF I AM』(8/30)
カテゴリー:IF_I_AM, 番組情報 タグ:IF_I_AM, MC庭田, Teach For Japan, まちづくりNPOげんき宮城研究所, 寺子屋クラブ
更新日:2012年09月06日
こんにちは。秋めくこの頃、みなさんいかがお過ごしでしょうか?
七十二節気では、今回の番組配信の頃は「天地始粛(てんちはじめてしゅくす)」…天地の気が粛然として万物があらたまる頃
だそうです。これを知っていると、粛然とした空気にいちはやく秋を感じました。ちいさい秋みぃつけて心ときめくのは、乙女心…いや日本人の根底にある、季節をゆかしがる「をかしの心」なのでしょう。
さて、8月30日配信の第68回『IF I AM』 →録画はこちら
の内容をご紹介します。
〈番組出演者〉
MC 庭田 苑香さん (東北学院大学4年)
ゲスト 根本 聡一郎さん (東北大学文学部4年)
〈番組内容〉
●Teach For Japanのお話
●各イベントの告知
●アフタートークにて、減災・防災について
Teach For Japanのお話
庭田さんとしばらく音信不通だった根本さん。実は気仙沼の本吉町(もとよしちょう)に1週間泊まりこみで、Teach For Japanのプログラムに参加していました。
プログラムの内容は、本吉町の小学生に勉強を教えるというもの。
― どんな人たちが参加したのか。教採を受けたい人、教育学部の人など、かな?
― 震災ボランティアをしたい人、指導経験を積みたい人、子どもが好きな人など様々。
法、経済、教育、文の各学部から、また京都、福井など全国各地からスタッフが集まりました。
医学部で、将来的に保健室の先生になりたくて参加してくれた方も。
― TFJ(Teach For Japan)ってどんな団体なのかいまいちつかめなくて。色々支部がありますよね。
根本さんが今回行ったのはTFJとして?TFJ東北支部として?
― TFJという団体があり、これは教育格差を是正するためのNPOです。
経済的、社会的な要因でしっかりした教育を受けられない子どもたちに勉強を教えています。
例えば、奨学金とは違う「就学援助」がある。公立学校の学費とは別にかかる、修学旅行経費、給食費、教材費などを援助するものです。この就学援助を受けているような子どもたちは塾に通えず、勉強したいと思っているのに、お金がないから勉強できない。
TFJは、教育に熱い思いを持っている人たちを集めて、就学援助が必要な子たちやその他いろいろな要因で十分な教育を受けられない子たちに勉強を教えている団体、といえそうですね。
大きなTeach For Japanとしてはひとつあって、その支部として東北事業部、関西事業部、九州授業部、また東京の本部などがあります。
全体では学生が約50人、社会人が約70人、合計120人(2011年末時点)。
東北支部では、10人ほどの学生が運営側にいて、その人たちが学生教師を集めて合計20人程度の人数で活動しています。
今回根本さんが参加したのは、TFJの東北事業部のプログラム。
震災後、物資がなくなったり、避難所生活になったりで勉強できなくなった子どもたちに勉強を教えようということで、気仙沼に泊まりこみで塾のようなもの(「寺子屋クラブ」と呼んでいます)を開きました。
― 実際にはどんな感じで教えているの? 先生1人に大勢の生徒なのか、1対1なのか。
― ここからは写真を交えてお伝えします。
写真のように、先生1人に生徒数人の授業。
根本さんは小学1年生に教えたので、すごくやんちゃ。また一人ひとりの進度も異なり、生徒5人を見るだけでとても大変。
― 小さいうちから大学生と関わる機会ってめったにないですよね!
― 今回のプログラムに参加した大学生たちが言っていたのは、これ自分のときにあったらよかったなっていう。
大学生って、お兄さんお姉さんですからね。 大人でもない、自分と同じ子どもでもない。
― 教える内容はどうやって決めてるんですか?
― 基本的に復習ですね。新しい内容を教えてしまうと、学校側と齟齬が生じてしまうので。
学校でやったことの復習といっても、抜けているところはあります。避難所にいた3ヶ月間ずっと勉強ができず、その間にやった一次関数の基本がすっぽり抜けたから勉強を再開しても一次関数が全部わからない…とか。
― プリントは自作なの?
― 自作です。
写真は根本さんオリジナルの算数の教材。子どもたち「絵が変だね」
国語でひらがなを教えるのもなかなか曲者。根本先生のプリントを見て、子どもたち「先生、字下手だよね」
― 散々な言われようですね…
先生、めげずに頑張ってください!
― 教える側もいろいろ感じることがあったと思うんですが、何に一番感動したというか、驚かされましたか。
― 子どもたちがすごく勉強したがってることですね。震災で全然勉強できない期間があったからこそ、頑張らなきゃなってなったのかな、と考えさせられました。
TFJのお話、そろそろ終わりますが…おまけ。
こちらは根本さんが本吉町で見つけたマンホール。
本吉町ではマンボウが採れるので、マンボウを町の魚にして町おこしをしているそうです。
また、本吉町は海鮮がすごく美味しいところ!
これ、本吉町の「鮨処えんどう」さんのいくら丼。
南三陸キラキラうに丼、南三陸キラキラいくら丼もあります。根本さん「気仙沼に行ったら絶対食べてください」
ちなみに現在、気仙沼へは仙台からバスで2~3時間で行けます。電車は復旧していません(南三陸だと、遠回りにはなりますが電車も利用できます)。
TFJは今後も活動を続けていきます。
荒浜や石巻などから仙台に引っ越してきた子たちへの学習支援を継続したい、とのこと。
Teach For Japanのホームページです。子どもたちの学習支援に興味がある方、ぜひ問い合わせてみてください。
告知
今回は2つのイベントの告知です。
1. フォーラム2012 in 石巻
まちづくりNPO元気みやぎ研究所さんのイベント。NPO創立5周年と、小泉八雲の顕彰団体・みちのく八雲会の創立10周年を記念する「フォーラム2012 in 石巻」が9月1日に開催されました。
このイベントは、八雲の曾孫にあたる小泉凡さんの基調講演と、東日本大震災の「復興地」(主催者は「被災地」に替えてこの呼称を用いています)で活動する人々を記録したドキュメンタリー映画「PRAY FOR JAPAN:心を一つに」(スチュウ・リービー監督作品)の2部構成。
終了してしまいましたが、詳細はこちらをご覧ください。
2. 演劇『方丈の海』
被災した地域の記憶を残すということ、これからどうなっていくのかということ…
10年後に震災を受けた地域を描くことで問うています。
根本さんはゲネプロを実際に見たそうで、これは今見ておくべき演劇だ、と話していました。
日時と会場は下の表でご確認ください。
チケット情報や作品紹介など、より詳しい情報はこちらに載っています。
まだ上演中ですので、興味を持たれた方は足を運んでみてくださいね。
日 時 | 8月30日(木)~9月3日(月)、9月 5日(水)~9月8日(土)19:00~ *9/2(日)、9/8(土)は16:00~ *9/4休演日■開場時間/開演の30分前 |
会 場 | せんだい演劇工房10-BOX box1 ■会場の住所/ 〒984-0015 宮城県仙台市若林区卸町2-12-9 ■会場の電話/ 022-782-7510 |
減災・防災について
この配信日の早朝に、宮城県沖で最大震度5強の地震がありました。
これを受けて、もう一度震災時に役に立つものや情報について、アフタートークで話し合います。
ゲスト
●熊田 絵理さん (東北学院大学2年)
笑顔311 のプロジェクトに興味を持って見学に来てくれました。
いきなり出演、びっくりしますよね!これ、本当に笑顔311ではよくあるんです!
●門馬 優さん (TEDIC代表・早稲田大学大学院)
TEDICは、門馬さんの地元である宮城県石巻市の被災児童・生徒の教育支援を行うNPO。
教員志望の学生と、被災児童・生徒が共に未来に向けて共に学ぶキャンパス作りを目指しておられるそうです。
アフタートークなのでゆるゆるな感じでしたが、震災時役に立ったものや役立つ情報について、
・食べ物のストック
・自転車
・充電器
・ラジオ
・長靴 (避難所の床に割れものが落ちている)
・帽子 (お風呂に入れず髪が洗えないので)
・ライター、キャンドル
・マスク、軍手
・ペットボトルの水
・食器はプラスチックが良い
・アルミ缶と アルミホイルでご飯が炊ける
・風呂場に水をためておく。水はすぐには断水しないので、貯めておくとトイレに利用できる。
などが出されました。少しでも被害を減らすために、常日頃からの準備は大切ですね。
さて、次回は原発に関する勉強会を予定しています。
原発ディベートに先立って勉強会をしようという意図です。
最後になりますが、笑顔311スタッフの橘 宏卓さんが、8月28日の河北新報夕刊の「復興系の若者たち」に載りました!
笑顔311スタッフとしての他、東
ロンさん、おめでとうございます!
それでは、次回の原発勉強会も是非ご覧くださいね。
ブログはたまゆかこと玉田優花子が担当させていただきました。
今回のTogetterまとめ